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インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー第一章その11


インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー
(1991年9月10日)
原題「LA Toya: Growing Up in the Jackson Family」
著者 ラトーヤ・ジャクソン 訳 高橋伯夫


第一章  その11



「これで、勉強しなくちゃならん、とわかっただろう!」父のボクサーのような拳が、あたしの顔や体に何回も突き刺さる。あたしは泣き叫んだが、ついには目が晴れ上がり、開けられなくなってしまった。



「おべんきょうはしているのに、どうして、あたしのことをぶったりするの?」とあたしは思った。もちろん、そんなこと、ひと言だって口に出せるわけはなかった。


突然に怒りを爆発させた父は、おさまるのも突然だった。あたしの腕をぐっと取ると、廊下からバストイレまで引っ張って行き、あたしを語り床の上に乱暴に投げ出して去って行った。


熱い、涙にぬれた頬が、ゴツンと冷たいタイルに当たった。血が流れる脚の上に、重たい本が落ちてきた。


「ここにいろ!これを読むんだ!」
そんな声とともに、ドアがバタンと閉まった。


男の子たちが一人ずつ手洗いに入ってきた。あたしの傍らをそっと歩き、父がまたあたしを、自分を、いやみんなをぶちはしないかと恐れ、ひと言も声をかけなかった。


父はいつも、さらにひどい暴力を振るうかもしれないぞという、無言の脅迫であたしたちを支配していた。


それであたしたちは身動きもできず、間接的にしろ、父と共犯者にされていたのだ。


その夜、あたしは同じ場所に体を丸めて横になり、自分が人の目につかないほどちっぽけな、価値の無い人間のように感じていた。


母は泣き疲れて寝入ってしまったあたしを連れ出し、リービーの横に寝かせる前に、切り傷や打ち身のあとを、そっときれいにしてくれた。


きょうだいたちとあたしは、この恐怖に馴れてしまい、父の怒りの爆発には正当な“理由”があるんだ、と思うようになった。


だから、あたしは父を怒らせる何か大変悪いことをしたに違いない、と信じていた。どうしてそう信じてしまったのか、本当のところはわからなかった。

0328miclatoya.jpg


父も母も、そういった無計画な罰の与え方について、決して説明はしてくれなかったからだ。子どもとは、自分の両親の行動を通じて、初めて世の中のことを学ぶものだからだ。


だから、親があたしの父のような抑制を失ったり、母のように従順すぎて無防備のままだったりすると、子どもは物事のありのままを見るのではなく、物事とはこうあるべきだ、としか考えられなくなってしまうのだ。

バストイレの床の上で、あたしはもうこれ以上、父にあたしをなぐる理由を与えないようにしよう、と誓った。


多分、あたしは父をうまく御することはできないだろうが、自分を抑えることによって、父の心を和らげることはできるだろう。

これは、多くの虐げられた子どもたちが身に付けた、自己破壊的な“政策”である。あたしはもう二度と、父を怒らせるようなことは決してすまい、と自分の心に約束した。


以来、あたしはクラスの中ではよく発言するようにしたが、家では台所の湯わかしのうしろの片隅で、何事も静かに見守っているようになった。


みんなを喜ばせようとそればかりを懸命に願い、どんなことがあろうと、誰ひとり怒らせまいとしていた。


「ラトーヤは、本当に良く出来た子だよ」と、母はまるであたしには非の打ちどころがないような口ぶりで言ったが、実のところ、あたしはそうするより他に道はないのだ、と思っていた。


ごく限られた程度だが、あたしの計画は功を奏した。尽きることのない精神的な暴力には非力だったが、ジョーゼフは二度とあたしに手を上げることはなかった。


そんなわけで、男の子たちは今でもあたしのことを“甘やかされ”と呼んでいる。しかし、言葉の暴力は、ぶたれるのと同じくらい痛いものだ。


0328CARB1P1X.jpg

いや、ぶたれるのはいつかはとまるものだから、それ以上に堪えるのかもしれない。冷静で野卑(やひ=下品で洗練された感じのないこと)な言葉は、投げつけられたあとも長く、いくどとなく脳裏によみがえるものなのだ。


母の両親は、わが家では何か問題を抱えている、と感じ取っていたようだ。なぜなら、あたしたちが“ママ”と呼んでいた祖母のマーサは、いつも特別な配慮を示してくれたからである。


例えば、みんなに通学服を買ってくれたり、リービーのために、素晴らしいパーディドレスを見つけてきてくれたり、である。


ジョーゼフが「今度の週末は、おじいちゃんとおばあちゃんの家にいくぞ」と発表すると、あたしたちはいつも跳び上がって喜んだ。


二人は今もイースト・シカゴに住んでいるが、当時のあたしたちにすれば、どこかほかの世界に出かけるような気分だった。


“ママ”はケーキやパイやショートブレッドなどを焼いてくれたし、祖母の二度目の夫である“パパ”は、自分の経営する店からクッキーやポテトチップスを持ってきて、もてなしてくれた。


“ママ”の家は清らかで愛に満ちあふれ、まるで魔法の国にでも来たみたいだった。

インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリーその12へ続く

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