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インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー第一章その10

インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー
(1991年9月10日)
原題「LA Toya: Growing Up in the Jackson Family」
著者 ラトーヤ・ジャクソン 訳 高橋伯夫


第一章  その10



そして当然のことながら、あたしたちは誰一人として、自衛のために父に反抗する勇気(無鉄砲と言ったほうがいいかしら)を奮い起こす者はいなかった。
ただ、マイケルだけは例外だったけれど。


母はマイケルが生まれて間もないころから、この子は“変わってる”と言っていた。歩き始めも、言葉を覚えるのも早かったし、年にしては大変起用だった。


母は子どもたちのことはなるべく自慢しないようにしていたが、マイケルのことだけは、「天才とまでは言いたくないけど、この子には何か特別のものが備わっているみたいだわ」と認めていた。


キラキラした目をし、いたずらっぽい微笑みを浮かべたマイケルは、まるでエネルギーの固まりのような、疲れ知らずのわんぱく坊主だった。


マイケルには生まれつきリーダー的な素質があったが、威張り散らしたりはしなかった。


毎朝、登校前に、近所の子どもたちがわが家のちっぽけな玄関に集まり、マイケルが現れて、その日みんなでどんな遊びをするのか発表してくれるのを待ち構えていたものだ。


なんでもかんでも「マイケル」「マイケル」で、小さいながらもその世界では、彼はすでに有名人であった。


また、そのころ、マイケルは兄弟の演奏や歌や振り、表現のあり方について、すでにはっきりした意見を持っていた。


プロモーションのための写真を撮るにしても、この6歳の子がみんなに、「オーケー、ジャッキー、ここに立って、そう、こんな感じ。ジャーメインはジャッキーのとなり、でもこんなふうに…」と、小さな可愛い声でポーズをつけ、それがまた細かいところまで実によく目が届くのだ。


母がよくステージ衣装を縫っていたが、例えばパープルのツーピーススーツとか、白いシャツに黒いパンツとかを見せにくると、ジャクソン5のそのいちばん下の子が、「これがいい!」と指さして、大声で決定を下したものだった。そして、それがいつもぴったりであった。

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マイケルは素晴らしく元気で、自信のある子で、あたしたちの中でジョーゼフに反抗していったのはマイケルだけだった。


父は怒るといつもすぐ手を上げたが、ほかの子どもたちは黙って立ち、体を固くしてただぶたれるのを待つだけだった。ところが、マイケルはさっさと逃げ出してしまうのだ。


「つかまえたら、承知せんぞ、コイツ!」とジョーゼフは怒鳴ったが、とてもつかまえられるものではなかった。


マイケルは足が速く、立ち止まってジョーゼフに靴を投げつけたりしても、追いつかれはしなかった。


マイケルは口応えもよくしたが、たとえそれでまたなぐられるようなことになっても、いつも最後にひとしきりまくし立てないと、気がすまないようだった。


あたしたちはびくびくして身をすくめながら、「マイクは優秀なのに、なぜいつも反抗するのをやめないんだろう。あれでは、自分で自分の首を締めているようなものなのにね」と、いつも不思議がった。


でも心の中ではあたしたち男の子も女の子もみんな、ひそかにマイケルの大胆不敵さに感嘆の声を上げていた。


6歳のとき、あたしは一生忘れられないほどの打撃を受けた。優等生だったあたしは、いつも通知表がもらえる日を楽しみにしていた。

0327GAMBLE-HUFF-and-Jacksons.jpg



父のジョーゼフが褒めてくれるとしたら、この時ぐらいしかなかったからである。


午後も遅くなったある日、あたしは初めての通知表を手にして帰ってきた。母が仕事で留守だったので、まず父に見せた。


父はバリバリっと封筒を破り、ちらっと成績表を見、先生の批評に目を通した。「ラトーヤはお勉強の成績は優秀ですが、きちんと声を出してお話ができません。あと一年、同じクラスに残ったほうがよいと思われます」と、先生がそんなことを書いておられようとは、あたしには思いもよらないことであった。


ジョーゼフは通知表を置くと、いきなり、平手であたしの頬を打った。そして、「2度と、こんな恥ずかしい思いをさせるんじゃないぞ!」と叫んだ。


それからズボンのベルトをはずした。いつもベルトを、愛用の鞭として使っていたのだ。金属製のバックルとしなやかな小枝のような鞭が、あたしの膚を焼けるようにしびれさせる。


「いや、やめて、おねがい!」と泣き叫んだが、父はあたしの声など耳に入らないようであった。


今でも目を閉じると、あの時の父の顔が瞼に浮かんでくる。怒りに駆られると、いつも形相を変えていたあの顔だ。


目は文字通り怒りに燃えて黄色く光り、額が延びて頭の真ん中くらいまで後退したように見えた。この時ばかりは、まるでゴムマスクなしでモンスターに変身したようだった。


「二度と、こんな恥ずかしい思いをさせるんじゃないぞ!2度とするな!」と怒鳴りながら、父は激しい平手打ちを加えてきた。


「これで、勉強しなくちゃならん、とわかっただろう!」父のボクサーのような拳が、あたしの顔や体に何回も突き刺さる。あたしは泣き叫んだが、ついには目が晴れ上がり、開けられなくなってしまった。


インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリーその11へ続く
マイケル最新情報はマイケル・ジャクソンの軌跡を綴るブログ

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