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インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー第一章その9

インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー
(1991年9月10日)
原題「LA Toya: Growing Up in the Jackson Family」
著者 ラトーヤ・ジャクソン 訳 高橋伯夫


第一章  その9


どういう理由があろうと、母は絶対に父の行動を止めたり、声高に反対したりはしなかった。その代わり母は、父の留守の間は家の決まりをすこしゆるやかにし、父の卑劣な言行の埋め合わせをした。


ジョーゼフが仕事に出ているとき、母はあたしたちに外で遊ばせてくれたのである。


ただ、父が帰宅するまでに戻り、誰もこの違反行為を一言も漏らさないというのが条件だった。


あたしは、たいていは母とリービーといっしょに家にいることが多く、お医者さんごっこをしたり、バービー人形と遊んだり、母のお手伝いをしたりしていた。


そろそろ父が帰ってくるころになると、母はあたしを表に出し、男の子たちを探しに行かせた。


あたしは「ティト―!ジャーメイン!マイク!マーロン!みんな早く帰って!」と叫びながら、通りを走っていくのだった。


あたしには、誰かが父のお仕置きに合うなんて、想像するのも嫌だったのである。


毎日、父のビューイックが家の前に停まるのを待つのは、まるで台風の襲来にびくびくしながら備えているような気分だった。


ご機嫌か、怒りの爆発か。それは誰にもわからなかったが、どちらにしろ、あたしたちはびくびくしていた。


このがっちり根を下ろした恐怖感が、いつもあたしたちの表情を暗いものにしていた。


たいていの子どもたちが、無邪気に楽しく過ごしているとき、あたしたちはいつも浮かない顔をしていたのだ。


父に対する不信感は、いきおい他の人々への不信に繋がっていったが、きょうだいどうしや、もちろん母に対してだけは別であった。


あたしたちは、オレを尊敬しろというジョーゼフの言葉に、ただ従うほかなかった。でも、心の中では、父に対する真実の愛情など持てるわけがなかった。


今にして思えばずいぶん悲劇的なことだが、当時は、他の子どもたちもあたしたちと同じ生活をしているものと思い込んでいた。


あたしたちにとって、父親というイメージは冷たくて、意地の悪い存在で、母親とは温かく優しいものであった。

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ほかに判断のすべもなく、そんなものだと思っていた。ごくたまに他の子どもたちの家に遊びに行くことがあっても、そこの父親が帰ってくるとすぐさよならをした。


そんなときマイケルは、びくびくした目をこちらへ向け、「帰らなくちゃ!」といきなり叫ぶのだった。


みんなはあたしたちのことを、さぞかし変だと思ったことだろう。あたしたちが、他の家の父親たちと楽しく過ごせるようになったのは、ずっとずっと成長してからである。


男親が自分の子どもたちを可愛がっているのを初めて目にしたとき、あたしとマイケルは心の底からびっくりした。


家への帰り道、二人は大声で、「ねえねえ、見た?あの人、キスしたり抱き上げたりしていたわね、自分の子どもなのに!…」


「ほんと、気色悪いなあ!」
と、帰り着くまでしゃべり続けずにはおれなかった。


このめったにない愛と冷酷さが相半ばする家庭生活は、きょうだいたちとあたしの間に、並はずれて深い愛と相互理解を生み、そして育てた。


いわゆる“仲良し家族”の中でも、わが家はすごく変わっていたのだ。あたしたちがお互いに心を寄せあったのは、ジョーゼフが共通の敵だったからだ、というのは否定できない。


誰だって、愛する人が辱められたり(はずかしめられたり)、ぶたれたり、品位を汚されたりしているのを見たら、ひどく心を痛めるに違いない。


あたしたちも、みんな、母にならったように思う。つまり、優しい言葉や行動で、ジョーゼフ与えられた痛みをなぐさめ合っていたのだ。


爆発しやすい父の正確に反応して、ジャクソン家の子どもたちは概して物静かで、非常に優しい性格に育った。


お互いに感情を傷つけることを恐れ、子どもとはどんなものか少しでも知っている人には、とても普通とは思えないほどだった。


つい最近まで、あたしたちは大声を上げることさえめったになかった。どうしてもしなければならないときは別として、ボクシングもやらなかったし、遊び半分でさえ、人と争うようなことはしなかった。


どんな子どもにとっても大切なのは、自分が大事にされ、愛されていると感じていることだ。


しかし、あたしたちは、学校に上がるころまでには、父親から自信とか自負心とかいったものは粉みじんにされていた。


そして当然のことながら、あたしたちは誰一人として、自衛のために父に反抗する勇気(無鉄砲と言ったほうがいいかしら)を奮い起こす者はいなかった。


ただ、マイケルだけは例外だったけれど。

インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリーその10へ続く

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