インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー第四章その9マイケルの大蛇マッスルズ
インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー
(1991年9月10日)
原題「LA Toya: Growing Up in the Jackson Family」
著者 ラトーヤ・ジャクソン 訳 高橋伯夫
The Official Michael Jackson Opus
その9
テーブルの上には大きなガラス瓶が置かれ、なんと中には脳が入っていた。マイケルは瓶を持ち上げ、中がよく見えるようにぐるっと回した。
「ジャジャーン!」
「まあ、マイクったら!それ、どこから持ってきたの?」
「しーっ!」誰かが聞いてはいないかと、マイケルはそっとドアの外をうかがった。
あたしはこれまで脳など見たことがなかったので、好奇心をそそられ、ホルマリン漬けになっている灰色のかたまりに見入った。かなり大きいように……見えた。
「人間の脳なの?」
マイケルは返事をしようとしなかったが、なんとなく人間の脳だとわかった。
「どこで手に入れたの?」
「うん、医者がくれたんだよ」マイケルは無頓着に答えた。
ここを読まれているみなさんは、今、口に手をあてて「とんでもないことを!」と思われているかもしれない。
でも、マイケルにとっては脳も体も驚異に満ちた創造物に過ぎず、気味の悪いものでも不快なものでもなかった。
1984年、頭皮にひどい火傷を負ったマイケルは、自然界にある奇形というものに関心を持つようになった。
奇形に関して書かれている本ならどんな本も、むさぼるように読んだ。その結果、シャム双生児、有名なアリゲーターマン、サーカスでよく見る奇形の人たちなどのことなら何時間でも話は尽きなかった。
このような気の毒な人々に関心を示したことで、マスコミは争ってマイケルを病的で気味の悪い人間のように書いたのである。
しかし、マイケルという人格にはいろいろな側面があり、あたしのように彼の本当の姿をよく知るようになれば、マイケルが“気味の悪い”などという言葉とは無関係なことがおわかりになるだろう。
母に似てマイケルも非常に感受性が強く、どんな形だろうと人が苦しんだり悩んだりしていることにすごく心を動かすようになった。
アフリカの子どもたちが飢え苦しんでいるのをテレビで見て、マイケルは涙を流した。
エレファントマンのような奇形の人に心から同情し、ジョン・メリックを描いたデービッド・リンチの映画を見て何回も泣いた。
「そんな人たちの人生がどんなものだったか、想像してごらんよ」とマイケルは悲しそうに話した。
「たぶん普通の人と変わらない感情を持っていただろうに、普通とは違う者と思われ、どこへ行ってもじろじろ見られたり、罵られたりして、どんなにか苦しく辛い思いをしたことだろうね」
なぜマイケルがそんな人たちに同情し、共感したのかははっきりしている。マイケルが有名人であるために、人からじろじろ見られたりして、ある意味では奇形の人と変わらない面があったからである。
マイケルはこの分野に好奇心を持っていると、ひやかしたりからかったりしているのを聞くと、あたしはとても腹が立つ。
彼はひやかし半分ではなく、心から関心を持っているのだ。一般の人々は、マイケルが本当は素晴らしい、思いやりのある人間だということを知らない。
でも、マイケルは何でも人目につかないように行動しているから、いろいろと言われるのもあるいはマイケルにも責任があるのかもしれない。
動物との接し方をみても、マイケル本当の性格がわかる。ジャクソン一家は父を含めてみんな、動物が大好きである。
家庭で飼っている普通のペット、たとえば犬、猫、ハツカネズミ、ハムスターといったものだけでなく、あるときなど、誰かがライオンの子や白鳥、アヒル、チンパンジー、ラマ、それに蛇を飼っていた。
10メートルに近い錦蛇に初めて対面した時は心配したが、あたしはすぐペットとして楽しめるようになった。
錦蛇は堂々とした生き物で、人が思っているようなぬるぬるした気持ちの悪さは全くなく、よく観察するとなかなか興味深いものである。
ところで、蛇には知能的には限界があり、人が呼んでも来ないし、実際にトレーニングすることもできない。
けれど、蛇のそばにいて習性を知るようになると、蛇がこちらを好いてくれているかどうかがわかってくる。
(自宅玄関にマッスルズがにょろ~)
もし蛇から好かれていないとわかったら、離れて近づかないほうがいい。あたしたちが飼っていた種類の蛇は、人を締めつけて簡単に窒息死させたり、あごを広く開いて人の頭くらい呑み込んだりもできた。
あたしは蛇が体を固く締めすぎるときは、できるだけ気分を落ち着かせるようにしていた。というのは、こういう爬虫類は人が反抗していると感じとると、本能的に強く締めつけるからだ。
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マイケルの飼っていたマッスルズの動画はこちらへ
彼の好奇心はとめどなく溢れ、彼の音楽を織りなしている部分と彼の本質的な部分にいろんな作用をもたらしていたのでしょうね。
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インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー第四章その10へ続く
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(1991年9月10日)
原題「LA Toya: Growing Up in the Jackson Family」
著者 ラトーヤ・ジャクソン 訳 高橋伯夫
The Official Michael Jackson Opus
その9
テーブルの上には大きなガラス瓶が置かれ、なんと中には脳が入っていた。マイケルは瓶を持ち上げ、中がよく見えるようにぐるっと回した。
「ジャジャーン!」
「まあ、マイクったら!それ、どこから持ってきたの?」
「しーっ!」誰かが聞いてはいないかと、マイケルはそっとドアの外をうかがった。
あたしはこれまで脳など見たことがなかったので、好奇心をそそられ、ホルマリン漬けになっている灰色のかたまりに見入った。かなり大きいように……見えた。
「人間の脳なの?」
マイケルは返事をしようとしなかったが、なんとなく人間の脳だとわかった。
「どこで手に入れたの?」
「うん、医者がくれたんだよ」マイケルは無頓着に答えた。
ここを読まれているみなさんは、今、口に手をあてて「とんでもないことを!」と思われているかもしれない。
でも、マイケルにとっては脳も体も驚異に満ちた創造物に過ぎず、気味の悪いものでも不快なものでもなかった。
1984年、頭皮にひどい火傷を負ったマイケルは、自然界にある奇形というものに関心を持つようになった。
奇形に関して書かれている本ならどんな本も、むさぼるように読んだ。その結果、シャム双生児、有名なアリゲーターマン、サーカスでよく見る奇形の人たちなどのことなら何時間でも話は尽きなかった。
このような気の毒な人々に関心を示したことで、マスコミは争ってマイケルを病的で気味の悪い人間のように書いたのである。
しかし、マイケルという人格にはいろいろな側面があり、あたしのように彼の本当の姿をよく知るようになれば、マイケルが“気味の悪い”などという言葉とは無関係なことがおわかりになるだろう。
母に似てマイケルも非常に感受性が強く、どんな形だろうと人が苦しんだり悩んだりしていることにすごく心を動かすようになった。
アフリカの子どもたちが飢え苦しんでいるのをテレビで見て、マイケルは涙を流した。
エレファントマンのような奇形の人に心から同情し、ジョン・メリックを描いたデービッド・リンチの映画を見て何回も泣いた。
「そんな人たちの人生がどんなものだったか、想像してごらんよ」とマイケルは悲しそうに話した。
「たぶん普通の人と変わらない感情を持っていただろうに、普通とは違う者と思われ、どこへ行ってもじろじろ見られたり、罵られたりして、どんなにか苦しく辛い思いをしたことだろうね」
なぜマイケルがそんな人たちに同情し、共感したのかははっきりしている。マイケルが有名人であるために、人からじろじろ見られたりして、ある意味では奇形の人と変わらない面があったからである。
マイケルはこの分野に好奇心を持っていると、ひやかしたりからかったりしているのを聞くと、あたしはとても腹が立つ。
彼はひやかし半分ではなく、心から関心を持っているのだ。一般の人々は、マイケルが本当は素晴らしい、思いやりのある人間だということを知らない。
でも、マイケルは何でも人目につかないように行動しているから、いろいろと言われるのもあるいはマイケルにも責任があるのかもしれない。
動物との接し方をみても、マイケル本当の性格がわかる。ジャクソン一家は父を含めてみんな、動物が大好きである。
家庭で飼っている普通のペット、たとえば犬、猫、ハツカネズミ、ハムスターといったものだけでなく、あるときなど、誰かがライオンの子や白鳥、アヒル、チンパンジー、ラマ、それに蛇を飼っていた。
10メートルに近い錦蛇に初めて対面した時は心配したが、あたしはすぐペットとして楽しめるようになった。
錦蛇は堂々とした生き物で、人が思っているようなぬるぬるした気持ちの悪さは全くなく、よく観察するとなかなか興味深いものである。
ところで、蛇には知能的には限界があり、人が呼んでも来ないし、実際にトレーニングすることもできない。
けれど、蛇のそばにいて習性を知るようになると、蛇がこちらを好いてくれているかどうかがわかってくる。
(自宅玄関にマッスルズがにょろ~)
もし蛇から好かれていないとわかったら、離れて近づかないほうがいい。あたしたちが飼っていた種類の蛇は、人を締めつけて簡単に窒息死させたり、あごを広く開いて人の頭くらい呑み込んだりもできた。
あたしは蛇が体を固く締めすぎるときは、できるだけ気分を落ち着かせるようにしていた。というのは、こういう爬虫類は人が反抗していると感じとると、本能的に強く締めつけるからだ。
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マイケルの飼っていたマッスルズの動画はこちらへ
彼の好奇心はとめどなく溢れ、彼の音楽を織りなしている部分と彼の本質的な部分にいろんな作用をもたらしていたのでしょうね。
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